Aviation

2024.04.16

ヤマト、JAL、スプリング・ジャパンが共同で貨物専用機を運航開始

導入したのはエアバス A321-200P2F型の貨物専用機(フレイター)。の運航は、JALグループのスプリング・ジャパンが担う。

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  • ヤマトホールディングス長尾社長「長距離輸送に新たな輸送モードとしてフレイターが加わる」
  • 日本航空赤坂祐二会長「ヤマトから相談を受けたのはコロナ禍の2020年で、旅客需要が完全に蒸発した時期」
  • スプリング・ジャパン浅見達朗社長「当社が担うのは、日本のLCCでは初となる貨物専用機の定期便運航」

ヤマトホールディングス、日本航空(JAL)、スプリング・ジャパンは、2024年4月11日(木)から、ヤマトグループが導入するエアバス A321-200P2F型の貨物専用機(フレイター)の運航を開始した。フレイターの運航は、JALグループのスプリング・ジャパンが担う。


国内EC市場の成長により宅配便取扱個数が年々増加するとともに、輸送する貨物は小口・軽量化している。一方で、労働力人口の減少やトラックドライバーの高齢化、「物流の2024年問題」の影響などにより、トラックを中心とした地上輸送力の低下が懸念。また、全国各地で発生する大雨や大雪、地震などによる物流網寸断リスクへの対応を強化していく必要もある。


このような物流を取り巻く環境の変化に対応すべく、ヤマトグループとJALグループは連携し、新たな輸送手段としてフレイターを活用。安定的な輸送力の確保やサービス品質の維持・向上を図り、持続的かつ強靭な物流ネットワークの構築を目指す考えだ。


就航開始日となった4月11日には成田空港、新千歳空港、北九州空港、那覇空港にて、就航記念セレモニーを行った。

<成田空港>
(左から)日本航空 代表取締役会長 赤坂祐二、ヤマトHD 代表取締役社長 長尾裕、
スプリング・ジャパン 代表取締役社長 浅見達朗
<新千歳空港>
(左から)日本航空 執行役員 小山雄司、ヤマトHD 代表取締役副社長 栗栖利蔵、
スプリング・ジャパン 執行役員 大佐古将彦
<北九州空港>
下段:(左から)北九州市議会 北九州空港機能強化・利用促進特別委員会 委員長 日野雄二、
福岡県議会 空港・交通インフラ調査特別委員会 委員長 井上博行、福岡県知事 服部誠太郎、
日本航空 代表取締役副社長 斎藤祐二、ヤマトHD 代表取締役副社長 栗栖利蔵、
スプリング・ジャパン 取締役 上谷宏、北九州市長 武内和久、苅田町長 遠田孝一、苅田町議会 議長 沖永義樹
上段:(左から)北九州エアターミナル株式会社 代表取締役社長 鮎川典明、財務省門司税関 税関長 末永広、
国土交通省 大阪航空局北九州空港事務所 空港長 平田良二、
国土交通省 九州地方整備局北九州港湾・空港整備事務所 所長 北原政宏
<那覇空港>
(左から)日本航空 執行役員 木藤祐一郎、ヤマトHD 代表取締役社長 長尾裕、
スプリング・ジャパン 代表取締役社長 浅見達朗


各地で飛行するフレイターの姿も。


ヤマトホールディングス長尾裕代表取締役社長のコメント
2019年からフレイター導入の検討を開始し、ついに初就航を迎えることができました。日本航空さま、スプリング・ジャパンさまをはじめ、当プロジェクトに参画いただいた皆さまに、あらためて感謝を申し上げます。まさに「物流の2024年問題」がスタートしたタイミングでの就航となりました。これまで長距離輸送を担ってきたトラック、鉄道、フェリー、旅客機床下貨物スペースに、新たな輸送モードとしてフレイターが加わります。持続可能な物流を提供していくとともに、フレイターの強みを生かしたスピード輸送など、様々なお客さまにご利用いただける輸送スキームを構築し、地域産業の発展に貢献していきたいと考えています。初めての空へのチャレンジとなります。安全運航を第一に、JALグループさまとともに、「新たな物流」「新たな価値」を創造してまいります。


日本航空赤坂祐二代表取締役会長のコメント
当社がこのプロジェクトについてヤマトさまから相談を受けたのはコロナ禍の2020年で、旅客需要が完全に蒸発するという非常に厳しい環境にあった時期でした。そんな中でもヤマトさまが2024年問題のような社会課題に対し、前向きに真正面から取り組もうと努力されている姿勢に私たちも非常に感銘を受けました。ヤマトさまと一緒に取り組み、多くのことを学びながら本日の初便就航を迎え、非常に感慨深いものがございます。JALグループは、これからもヤマトさまと力を合わせながら安全安心な社会、サステナブルな未来を作ってまいります。


スプリング・ジャパン浅見達朗代表取締役社長のコメント
当社はJALグループのLCCで、成田空港を拠点に中国各地を結ぶ国際線と日本国内線のネットワークを展開しています。このたび、当社が担うのは、日本のLCCでは初となる貨物専用機の定期便運航です。10周年という節目を迎える私どもにとって大きな挑戦ですが、社会にとっても大変意義のある取り組みになると確信しています。これまで培ってきた安全運航のノウハウをフルに発揮して、貨物専用機を高い定時性で運航し、日本各地にいらっしゃるお客さまへ誠意を込めて荷物をお届けすることで、笑顔になっていただける貨物事業となるよう精一杯努めてまいります。


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