DRONE NEWS

2024.01.17

T30 2機同時飛行で散布能力が倍増

複数機の運航は限られた場所でやれば効率性の向上が見込まれる。

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  • 国際ドローン協会が千葉県東庄町でDJIの農業用ドローンT30とT25の実証実験を実施
  • T30 2機同時飛行の課題も明らかに
  • 協会は2024年に1,200haでドローン集団防除を計画

1月15日、国際ドローン協会は 千葉県東庄町でDJIの農業用ドローンT30 2機同時飛行の散布能力、およびDJIの農業用ドローンT25の散布能力を検証する実証実験を行った。

 

実証実験が行われたのは東庄町にある10haの圃場。実験に先立ち、ドローンによる航空測量を行い、自動飛行のマップを作成した。
 
まず行われたのは、T30 2機同時飛行による散布能力の確認。同機は1つの送信機で複数の機体を操縦できるが、航空法上の制約や2機同時に操縦できる操縦士の技量等に課題があり、これまで実施されてこなかった。今回、日本で初めてこの試みを行ったところ、1機の飛行と比べて倍の面積を散布できることを確認した。一方で、散布を行うための飛行ルート設定や、送信機との接続状況などに課題があり、効率的に作業を行うために今後も解決方法を続ける。
 
次に11月にリリースされたばかりのT25の散布能力を検証。従来機より高効率な散布能力を持ち、機体単体で航空測量と自動飛行が可能であるT25での散布は、従来機と比較して短時間で終えることができた。
 
実験を行った一般社団法人国際ドローン協会は、2024年に東庄町で1,200haに渡ってドローン集団防除を行う予定だ。また、この集団防除では今回の実証実験と同様に一等無人航空機操縦士を選定し、安全面及び散布品質に万全を期した状態で実施する見込み。
 
ドローンの2機同時運航は農薬散布機に限らず、業界全体で課題となっているのは周知の事実。T30を使用した今回の取り組みは、圃場のような限定された区画での複数機による運航に見通しをつけたと評価できそうだ。今回明らかになった課題を解決し、業界内との共有を通してより効率的な農薬散布、および農業DXの伸展に期待したい。
 

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