DRONE NEWS

2024.03.22

Starlink衛星通信とマイクロドローンを活用した災害救助訓練を実施

Casley Deep Innovationsは、ドローンとStarlink(衛星通信)を使い災害時のリアルタイム映像配信と救助訓練を実施した。

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  • 複数の目的別ドローンを連携
  • ドローンを使用して上空から建物の倒壊危険性の診断を実施
  • 人が立ち入ることが困難な危険な状況下の屋内捜索をマイクロドローンを用いて実施

Casley Deep Innovations(キャスレーディープイノベーションズ)は、複数台のカメラ映像をリアルタイムに伝送し、大規模雑踏警備を支援するソリューション「DiCaster Police(ディキャスター・ポリス)」を手掛ける。


今回、同社は岐阜県岐阜北警察署が実施する災害救助訓練で「DiCaster Police(ディキャスター・ポリス)」を用いたStarlink(スターリンク)衛星通信からのリアルタイム映像同時配信と、データ秘密分散を活用。マイクロドローンを含む複数機の目的別ドローンを連携させ、倒壊家屋からの救助訓練を実施した。


2024年1月に石川県能登半島で発生した能登半島地震では、多くの建物が倒壊もしくは半壊等の被害を受け、警察・消防・自衛隊は危険度の高い建物に侵入して要救助者を捜索するなどの状況が生じた。また、通信途絶によって情報収集が困難となり、瓦礫の散乱する現場で建物倒壊の危険性把握もままならないなか、救助活動中の余震発生などで救助隊への二次被害も危惧される状況だった。


このような状況下において、できるだけ安全かつ迅速に救助活動が行えるよう、複数の目的別ドローンを連携させ、不感地帯における通信確立とセキュアな閉域通信の確保。建物の外観診断による安全性確認や、屋内の要救助者発見を目的として、救助訓練を実施した。


訓練は、地震で通信が途絶した不感地帯において、倒壊の恐れがあるマンションに住民が取り残されたと想定。救助隊が救助パッケージを迅速に展開し、ドローンを使用して上空から建物の倒壊危険性の診断を行った。また、人が立ち入ることが困難な危険な状況下の屋内捜索を、マイクロドローンを用いて実施した。


1.救助隊による救助パッケージの迅速展開
救助パッケージは、Starlink可搬バックパック、ポータブル電源や通信システムなど各種装備品を入れたバックパック、ドローン運搬用ケースの3点で構成される。2名の人員で現場到着から約5分で衛星通信を閉域化、「DiCaster Police」による映像通信・本部連携を確立後、ドローンを展開した。


2.建物の倒壊危険性診断・屋外からの要救助者捜索
外観診断およびベランダからの要救助者捜索を目的に、国産ドローン「SOTEN(蒼天)」を飛行させた。建物の外観にひび割れや傾きなどの損傷がないか、ベランダ越しに取り残されている要救助者がいないかをチェックし、3階建ての建物12戸のうち、2階および3階の計2戸を特定した。この捜索は、人員2名で約10分の飛行で行えることを確認した


この際、SOTENからの映像は「DiCaster Police」を用いて、指揮本部を想定した訓練テントへリアルタイムに伝送。現場から離れた指揮本部でも同時に情報連携が可能なこと、映像を見ながら同席した災害診断の専門家が遠隔でアドバイス可能なことを確認した。


3.マイクロドローンによる屋内からの要救助者捜索
倒壊しかけたマンションの2階、3階の計2戸の内部には、取り残された人がいる可能性がある。そこで、上空からSOTEN(蒼天)の誘導支援を受けながら、マイクロドローン「SDK」が屋内に侵入。障害物を回避しながら各部屋を探索し、要救助者が倒れているところを発見した。マイクロドローンによる捜索は、人員2名でそれぞれ約5分、2回の飛行で行えることを確認した。


同様に、SDKからの映像は「DiCaster Police(ディキャスター・ポリス)」で指揮本部を想定した訓練テントへリアルタイムに伝送され、本部からの指示で捜索個所を現場へ伝達したり、現場と本部での連携したりすることが可能と確認した。ま


た、AI(人工知能)によるオブジェクト解析により、人体の一部/全部/顔識別が可能であり、パイロットだけでなく補助者や遠隔地の支援者が映像を見ながら対応できることを確認した。

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