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2024.05.23

NEDOが長距離物資輸送用ドローンの開発・実証の研究開発に着手

NEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)は、30~50kg程度の物資を最大1000km程度輸送できるVTOL機の開発を目指す。

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  • 物資輸送ニーズを十分に満たす飛行距離とペイロード(積載重量)を両立した無人航空機が必要
  • 水素、持続可能な航空燃料(SAF)といった代替燃料で運用可能なハイブリッド動力システムを搭載
  • 予算は50億円、2028年度にかけて実施

NEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)は経済安全保障を強化・推進する観点から支援対象とすべき先端的な重要技術を「経済安全保障重要技術育成プログラム(通称“K Program”)」(以下、本プログラム)と定めて、研究・開発を進めている。この研究の一環で「長距離物資輸送用無人航空機技術の開発・実証」(以下、本事業)の研究開発に着手する。


近年、無人航空機関連の技術進歩により、農薬散布や測量、施設・設備のインフラ点検など、産業用途での無人航空機の活用が進んでいる。今後は、物流や警備を目的とした無人航空機の活用が拡大していくことが予想されている。日本は人口減少に直面していることに加え、多くの島しょ部や広い領土・領海を有することから、特に物流分野での省人化・効率化が喫緊の課題となっており、物資輸送ニーズを十分に満たす飛行距離とペイロード(積載重量)を両立した無人航空機が必要とされている。


本事業では、30~50kg程度の物資を最大1000km程度輸送できる、垂直離着陸可能な無人航空機の実現をねらう。水素、持続可能な航空燃料(SAF)といった代替燃料で運用可能なハイブリッド動力システム、高出力モーター、軽量構造技術などの要素技術を開発し、それらを統合した試験機で評価試験を実施することで、長距離物資輸送用無人航空機技術を確立する。


離島間や洋上インフラへの物資輸送、送電線・パイプラインといった広域インフラ設備の点検、海上や山岳地域における要救助者の捜索、災害時の被害状況調査などで無人航空機が活躍する社会の実現を目指す。


本プログラムの予算は50億円。期間は2024~2028年度を予定している。実施予定先はコントレイルズ、金沢工業大学、ザクティ、ジェイテクト、静岡理工科大学、ナイルワークス、ヤマハ発動機となっている。

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