エアモビリティに関わる人々へのインタビューを通して、エアモビリティの未来を見通す動画「FLIGHTING KEYNOTE」。
第5回、第6回はドローンコンプライアンスアドバイザーとして活動する尾関健さんに登場していただいた。
「コンプライアンス」とは「法令遵守」の意味で、昨今あちこちでよく聞く言葉。2024年冬に放送されたテレビドラマ『不適切にもほどがある!』ではコンプライアンスでガチガチの現代が、1980年代当時と比較して描かれたことでも話題になった。
それに「ドローン」がくっついた「ドローンコンプライアンス」。ということは法令遵守と何か関係がありそうだ。
また、尾関さん自身はドローンコンプライアンスアドバイザーとして、かなり特殊なドローンの仕事にも関わっている。「危険物運搬の全国包括申請」と聞いてピンときたドローン業界の人は、動画が参考になるだろう。
読めばティザー動画の中身がわかる!
「FLIGTHING KEYNOTE #005 ドローン運航を総合サポート ドローンコンプライアンスの仕事とは?」
企業やパイロットがわからない許可や調整を担当する
尾関:ドローンというと想像されるとおり、法律面や準備、自治体との絡みなど、複雑だと感じられている方がいらっしゃると思うんですね。そういった方々に対して、パイロットさん、もしくは企業さんの支援をしたりアドバイスをしたりする仕事をしています。実をいうとパイロットさんや企業さんでも、どんな許可を取らないといけないのか、どんな調整をしないといけないのか、本当はそこから知りたい。パイロットさんは案件単位でどんな許可などが必要なのか吟味しないといけないですし、どうやったら飛行できるのか、その場所で飛行ができるのか、もしそこでできないとしたら別の場所で同じカットが撮れるのかなど、飛行計画の相談をしたいケースがあります。そんなみなさんにアドバイス、支援を行っています。
超高難易度!レインボーブリッジの空撮や危険物輸送
NICHIKA:これまで尾関さんが手がけられたお仕事だと、噂で聞くとレインボーブリッジを空撮されたそうですね。
尾関:レインボーブリッジは特に、東京港という範囲でドローンの離発着が難しい地域なんです。「じゃどうするかね」とパイロットと相談して、最終的に港湾が借りられないんだったら……。
NICHIKA:それから、かなり特殊な事例だと思うんですが、危険物運搬に関して全国の包括許可を取られたそうですね。どんな手続を取られたんですか。
尾関:このお話のスタートはいわゆる運搬や物流用のドローンなんですね。これらのドローンは現状、町中で飛行がなかなかできない。ただ、山岳地や離島では運搬や物流が非常に多く進められている。定期便として運航されることも、だんだんと進みつつある。でも、運べるものの制限が加わると発注されるみなさんが躊躇してしまう。そこで、ガソリンや腐食塗料といった危険物を「ドローンで運べるんですよ」というお話をすると、発注者さんは「なるほど」となります。実際にそれを運ばなくても、視野が広がるので、まずスタートとして取得しました。
NICHIKA:取るのは大変でしたか?
尾関:実をいうと、ドローンにおける危険物輸送のポイントはいわゆる消防法の話ではなくて……。
電波を知らないと知らないうちに法律違反するかも!?
NICHIKA:電波を知る重要性は高まっていますか。
尾関:今後エアモビリティの進展を踏まえて、機体の飛行状況などを監視することを考慮すると、無線や電波の話からは逃れられません。飛行距離がどんどん延びていきますので、どのようにして距離の離れたものの状況を掴むかというと、電波しか活用できるものがない。電波はドローンの知識の中で重要な要素のひとつになってくると思います。電波法ではその目的に合わせて電波の幅や周波数が決められてしまっているので、それを逸脱するような使い方をすると、電波法違反になってしまいます……。
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