Advanced Air Mobility News

2024.04.18

AirXがエンブラエル傘下「EVE Air Mobility」とeVTOL購買権契約を締結

大手旅客機メーカー「EMBRAER(エンブラエル)」のグループ会社が開発する空飛ぶクルマを、AirXは最大50機導入する契約を締結した。

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  • EVE Air Mobilityは大手旅客機メーカー「EMBRAER(エンブラエル)」のグループ会社
  • 導入するeVTOLはリフト・クルーズタイプ
  • AirXは最大で50機を導入

2024年4月18日、AirXは、電動垂直離着陸機(eVTOL)を開発するEVE Air Mobilityと、同社機体の購買権に関するLOI契約を日本で初めて*締結したと発表した。
(*)2024年4月現在 当社調べ

写真はイメージです。写真はイメージです。


EVE Air Mobilityは大手旅客機メーカー「EMBRAER(エンブラエル)」がグループ展開する、都市型エアモビリティ(UAM)エコシステムの開発を行っている会社。主に電動垂直離着陸機(eVTOL)の開発、航空交通管理システム、グローバルサービスおよびサポートネットワークを提供している。2023年7月にはeVTOL生産施設(ブラジル国内サンパウロ州タウバテ市)の建設を発表し、2026年には機体納品およびサービス展開を予定している。


本eVTOLは揚力を得るために地面に対して平行に向いたローターが備えられ、地面に対して垂直を向くプロペラと固定翼によって推力を得るリフト・クルーズタイプとなっている。AirXは同タイプは土地の広さが限られたエリアでの有効活用が見込めることから日本の都市部や屋上ポートへの離発着に適していると考え、都市部や地域間を結ぶ交通手段として導入することで移動の可能性を広げられると期待し提携に至った。


(*2)リフト・クルーズタイプ

飛行機のような固定翼を備えつつも、ドローンのようにローターを複数取り付けているタイプ。効率的に長距離を飛行できるのが特徴。他に、マルチロータータイプとベクタードスラストタイプがある。

参考:『ドローン3.0時代のビジネスハック』名倉真悟(著)、水野二千翔(編)


LOI契約(基本合意書、意向表明書)では「最大10機のeVTOL確定オーダー」「40機のオプション購入権」「都市型航空交通管理ソフトウェア『Vector』の活用」が盛り込まれている。この内容からAirXは最大50機を導入することがわかる。


EVE社開発のeVTOLについて

搭乗者数航続距離形式
5名(パイロット1名、乗客4名約100キロリフト・クルーズタイプ


■航空交通管理ソフト「Vector」について

Vectorは、都市型エアモビリティの運用を最適化し、安全運航を実現するための航空交通管理ソフトウェア。現在、オーラルコミュニケーションが主流の航空業界に、DX化をもたらすことが期待される。

※開発中の製品につき、仕様や外観に変更がある場合がある。


AirXは都市型エアモビリティ(UAM)を展開するため、自治体、電力・インフラ、不動産業界など、多様な関係事業者との連携を強化している。日本国内では、2026年から2027年にかけてサービス開始を目標に、持続可能で、どこへでもアクセスしやすい未来を実現るとしている。


Johann Bordais (Eve CEO)よりコメント抜粋

EVEのeVTOL航空機だけでなく、サービスおよび運用ソリューション、そして私たちのVector (都市型航空交通管理ソフトウェア)を購入していただき、AirXから信頼と信用を得られたことを高く評価しています。日本はeVTOL運用へのアプローチと関心が進歩的であり、私たちは日本の都市型エアモビリティの目標をサポートするために、関係を拡大し続けることを楽しみにしています。


■手塚 究(株式会社AirX CEO)よりコメント抜粋

EVEは技術力だけでなく、エコシステム構築への取り組みにも真摯的で深く感銘を受けました。私たちの目標は、空の交通サービスを誰もが利用しやすく手頃な価格にすることです。EVEの包括的なソリューションとAirXが培ってきた知識や経験、ビジネスプラットフォームを統合することで、日本でのeVTOL運用を前進させていきます。


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