- 北海道有珠山ではフレンチを運搬
- 苗木運搬に使うAGRAS T30を投入
- 料理の形は崩れず冷めることもなかった
【ドローン物流連載】シリーズは全4回の記事で、現在の国内におけるドローン物流の状況や今後の展望について紹介します。
ドライバーの労働時間を規制する「2024年問題」解決に向けて、ドローンによる物流や物資運搬に期待が集まっている。
第2回は2024年1月1日~2月13日までに行われた物資輸送や物流にドローンを活用するための実証実験のうち、道路横断時などで補助者や標識の設置が求められる無人地帯上空での補助者なし目視外飛行である「レベル3飛行」以下で行われたと見られる実証実験の模様と、実験が帰路に立っていることについて見解を示した。
第3回はドローンによる物資運搬をプレミアム化する動きについて紹介する。
同じ物資運搬でも、インフラではなくレジャー的な側面で取り組んだ実証実験も行われている。
2月7日には北海道壮瞥町の有珠山山頂の展望台に特設した客席へ、麓のレストランからフレンチフルコースを配送する取り組みが行われた。
普段は苗木運搬に使用されるDJI AGRAS T30が料理を吊り下げ、250m先の客席へ。利用客は絶景の雪山を眺めながら、冷めることなく、形が崩れることもなく運ばれた料理に舌鼓を打ったそうだ。
第2回で解説した通り、ドローンによる単なる物資運搬では事業として採算ベースに載せることは難しい。
だが、この取り組みのように、美しい景色や星空を散らしたような夜景が見えつつも、調理施設が揃っていない場所でレストランを開店し、物資運搬ドローンを活用して料理を運ぶなら、プレミアムな体験を提供するとして事業化が可能かもしれない。
一方で、物流の一翼をドローンに担わせることを目的とした実証実験も行われた。
(以下では、ドローンでの物流や物資運搬を事業化するために行わなければならい手立てについて考察しています)