- ジョビー・アビエーションはニューヨーク市内のカーニー・ヘリポートに自社開発の充電設備を導入
- カーニー・ヘリポートを拡張しニューヨークで初のeVTOL充電システムを備える
- 国内ではスカイドライブと関西電力が整備に取り組む
アメリカで空飛ぶクルマの開発を手掛けるジョビー・アビエーションは、ニューヨーク市でのeVTOLエアタクシー事業の運用拠点として、ニュージャージー州カーニーにあるヘリポートを使用する計画を発表した。同施設の所有者兼運営者であるHelo Holdings, Inc.(HHI)と契約し、ジョビーのGlobal Electric Aviation Charging System(GEACS)を施設内に設置することで合意した。ヘリポートはマンハッタンのダウンタウンヘリパッドまでの飛行時間が2分となっている。
2011年に開業したカーニー・ヘリポートは、ヘリコプター用の27台の駐機スペースを提供。HHIは今後32台に拡張する予定だ。同施設では現在ヘリコプターの地上サービスと整備作業用のハンガースペースを提供しているが、今後はニューヨーク市トライステートエリアでは初となるeVTOLの充電システムを備える見込み。
HHIは昨秋に行われたニューヨーク市内での飛行デモンストレーションでも、ジョビーに施設提供を行っている。今回のHHIとの取り組みを通じて、ニューヨーク市内における空飛ぶクルマの離発着場「バーティポート」の整備が加速しそうだ。
ジョビーは2025年にデルタ航空とともにニューヨークやロサンゼルスで4人乗りの空飛ぶクルマを使用した商業サービス開始を計画している。開発中の空飛ぶクルマは1回の充電で約100マイルの航続距離を持つとされている。同社は年末までにFAA型式認証を完了することを目指している。
ジョビーはデルタ航空、ニューヨーク港湾公社やニューヨーク市経済開発公社と共同でエアタクシーサービスの実装に取り組んでいる。ニューヨーク市内のジョン・F・ケネディ空港やラ・ガーディア空港にもeVTOL航空機のインフラを提供する計画が進めれられている。
空飛ぶクルマをはじめ、モビリティはどうしても機体自体に注目が集まりがち。しかし自動車がガソリンをはじめとした燃料がないと動けないのと同様に、空飛ぶクルマもバッテリーがないと飛行できないのは自明。バッテリーの共有がスムーズに行えるインフラ設備が肝要だ。
アメリカはここで紹介したようにジョビーが機体開発と並行してインフラ整備を進めている。ライバルであるアーチャーとも充電施設を共用できるようにしている。現状では日本国内で空飛ぶクルマの飛行のためのインフラ整備が進められている様子は見受けられないが、スカイドライブと関西電力が大阪・関西万博に向けて充電設備を共同開発し、会場の夢洲に整備することを発表している。あわせて本年度中に飛行試験場に設置する予定もあるようだ。機体開発だけでなく、インフラ整備がどのように進むかにも注目だ。
(リリース https://www.jobyaviation.com/news/joby-to-install-first-electric-air-taxi-charger-new-york-city-region/?fbclid=IwAR0m41s7dELEKYZxP8dSmExSmoahf-_k7GMlo_KV9DGK3MdrANTpmjDAf3w)