DRONE NEWS

2024.01.16

埼玉県でボート教室開催 ドローンとRTK技術でトレーニング革新

ただきれいな風景を空撮するだけでなく、スポーツの技術向上や現場の保全などにも空撮は活用できる。

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  • オリンピック出場選手などNTT東日本漕艇部メンバーが指導するトレーニングが実施
  • ドローンによる空撮やRTK測位技術を用いた漕艇の動作解析も
  • 競技場内でのドローン空撮やRTKを活用した動作解析がスポーツトレーニングに活用できる

1月13日、公益財団法人埼玉県スポーツ協会と埼玉県ボート協会は、NTT東日本や地域団体と連携し、次世代アスリートの育成を目的としたボート教室・ローイングクリニックを埼玉県で開催した。埼玉県では初めての試み。全日本選手権大会で優勝を16回達成するなど、国内屈指の実力を誇るNTT東日本漕艇部が指導を担当した。

 

ローイングクリニックは戸田市の戸田漕艇場で行われ、埼玉県内の漕艇部に所属する高校1年生~3年生など50名が参加した。NTT東日本漕艇部の荒川龍太選手(2020東京オリンピック出場、2024パリ五輪出場国枠を獲得)ほか21名による乗艇指導や陸上トレーニングを実施した。
 
スポーツテックの活用による技術指導の試みも実施。乗艇模様をドローンで撮影し、後日編集して参加生徒に提供される。ふだんは見ることができない艇の後方から撮影された映像を確認することで、技術向上に役立てられるという。また、高精度RTK測位技術による漕艇の動作解析トライアルも実施。衛星測位データを活用して正確な速度情報を取得したり、従来は可視化できなかった艇の細かな上下動であるピッチングを計測することで、漕艇動作を解析。結果を元にNTT東日本漕艇部選手と参加生徒がトークセッションを実施するほか、分析結果を参加生徒にレポートで後日提供予定だ。なお、動作解析トライアルはNTT社内で開発されたプロトタイプ版アプリの活用実証として行われた。
 
ドローンによる空撮はドローンビジネスの初歩。ところが競技場内では有人地帯上空を飛行する可能性が拭えない。結果的にワイヤーカムを使用した空撮が主流となっているようだ。今回のような人が立ち入ることないレース場の上を行くボートの空撮であれば、立入管理が行いやすく、ドローンの空撮もしやすい。他の競技でも、入場者がいない管理された競技場内で空撮し、チーム戦略などの検討に使用することが考えられる。通常は見られないながらも、確認したい角度からの映像を提供できる点で、ドローン空撮の新しい可能性が拓けたといえる。
 
また、RTKを組み合わせた動作解析は新しい取り組みだ。現在、スポーツの上達にはデータ解析が欠かせない。ドローンによるRTKもまた活用が進められているが、現在は土地等の測量にとどまっている。スポーツへの転用ができれば、より活用の幅も広がっていくことだろう。
 
(プレスリリースはこちら https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000873.000098811.html

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