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2024.04.10

超音波厚さ測定が可能な「ELIOS 3用UT検査ペイロード」」を発売

ブルーイノベーションは、屋内点検・測量ドローン「ELIOS 3」に着脱可能な専用ペイロードシリーズの新製品「UT検査ペイロード」をリリースした。

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  • 「ELIOS3」に着脱可能な専用ペイロードシリーズの新製品
  • プラント施設やインフラ施設で、効率的・低コストで超音波厚さ測定が可能に
  • 作業時間を15,000時間削減し、点検作業を2名で実施

ブルーイノベーションは、屋内点検・測量ドローン「ELIOS3」に着脱可能な専用ペイロードシリーズの新製品として、ドローンによる遠隔かつ安全な超音波厚さ測定を可能にする「UT検査ペイロード」をリリースし、運用サービスを5月7日より、販売サービスを7月(予定)より開始する。


UT検査ペイロードは、ELIOS 3の開発メーカーであるFlyability社が、超音波厚さ計の世界的トップメーカーであるCygnusInstruments社と連携して開発した、ELIOS 3に最適化されたUT検査用デバイスだ。


UT検査ペイロードを搭載したELIOS 3を用いることで、プラント施設やインフラ施設(道路橋、トンネル、下水道など)、自動車や航空機の工場、船舶ドックなど、従来は足場や特殊な機材等を要した点検対象箇所において、遠隔で安全に、かつ効率的・低コストでドローンを用いた超音波厚さ測定が可能になる。


さらに、2024年1月に発売し高精度な点群データを短時間で取得可能な「測量ペイロード」とUT検査ペイロードを併用することで、従来はそれぞれのチームで行っていた外観目視検査や測量、厚さ測定といった複数の点検作業がELIOS 3のみで実施可能(パイロットチーム2名)となり、点検業務における作業効率を飛躍的に向上させる。


使用例としては、5年ごとの定期検査が義務図けられている船舶が挙げられる。足場が必要となる大型船舶のバラストタンクの厚さを測定する場合、UT検査ペイロードを導入することで足場設置などが不要となり、15,000時間の作業を削減した。また、測量ペイロードと組み合わせることで、従来 16名以上で行っていた点検作業を2名で行うなど、効率化・省人化を実現している。


なお、UT検査ペイロードは、4月10日から東京ビッグサイトにて開催されるSea Japanのブルーイノベーションブース(ブースNo.1A-12)において、ELIOS 3と共に実機展示ならびにデモンストレーションを実施する。


■UT検査ペイロード|機能

1.プローブヘッド

超音波を発信するプローブ(探触子、接触する部分)は点検対象に応じて、2MHz、5MHz、7.5MHzから選択できる。また、プローブを覆うフードには強力な磁石があり、点検時の安定性を向上させる。


2.プローブアーム

プローブヘッドとELIOS 3のガード部分を接続する。プローブアームは、狭いマンホールの通過時や、複雑な空間内で飛行の妨げにならないよう、機体本体側に折りたためるように設計されている。


3.カプラントディスペンサー (塗布装置)

プローブと点検対象の間には、プローブから発信される超音波を点検対象に伝達するのにゲル状のカプラント(接触媒質)が介在している必要がある。このカプラントディスペンサーは、必要量のカプラントをプローブヘッドに供給し、点検に最適な状態を保つ。


■UT検査ペイロード 使用方法

UT検査ペイロードは、プローブヘッドからレーザーポインタが照射されており、パイロットは照準を定めて対象を測定することが可能だ。測定結果は、リアルタイムで表示されるほか、ELIOS3 の飛行位置情報と共に記録され、飛行後の解析時に位置特定が可能だ。


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