DRONE NEWS

2024.03.18

ドローンビジネスの成長鈍化!? その原因は?

インプレス総合研究所が発行する「ドローンビジネス調査報告書」では市場規模を予測。最新版が発表され、やや苦い結果が発表された。その原因を探る。

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  • 「ドローンビジネス調査報告書2024」で2023年度の市場規模を3854億円と推計
  • 2028年度には9054億円へと拡大と予測
  • 周辺サービス市場、機体市場は伸びる一方、サービス市場が苦戦

インプレス総合研究所が毎年発行している「ドローンビジネス調査報告書」。発行年度のドローンビジネスの市場規模を調査し、翌年度以降について予測した詳細なデータを提供している。ドローンにかかわる事業者や自治体などが、今後の市場拡大をドローンに馴染みがない相手にプレゼンする際、大いに活用している資料だ。


2024年3月22日に「ドローンビジネス調査報告書2024」(以下、報告書2024)が発売される。先行して市場規模の予測や、サービス市場の分野別の規模予測が発表された。そこで2023年3月に発売された「ドローンビジネス調査報告書2023」(以下、報告書2023)で発表された各データと付け合わせ、ドローンビジネスの今後がどのように展開されるかについて考察したい。


最初に断っておくと、ドローンビジネスの成長速度は鈍化が鮮明になっている。報告書2023では、ドローンビジネス全体の市場規模は、2028年度に向けて9341億円になると予測されていた。ところが、報告書2024では9054億円となり、287億円の減少と予測。率にすれば3%減だが、成長が続く、右肩上がりの市場という期待が大きかっただけに、予測とはいえ減少を記録するのは残念だ。


まずは報告書2024をもとに、市場規模の予測から確認していこう。ドローンビジネスの市場は「周辺サービス市場」「サービス市場」「機体市場」の3分野で構成されている。この3分野を合計した金額は、2023年度に3854億円と推計され、前年比23.9%増となった。


周辺サービス市場はバッテリーなどの消耗品の販売額、定期メンテナンスの費用、人材育成、任意保険などの市場規模を示す。2023年度は778億円を記録。報告書2024では国家資格である「無人航空機操縦者技能証明」制度が開始し、資格取得のためにスクールに通う人たちが増えたことが規模拡大に貢献したと論じる。


サービス市場は、ドローンを活用した業務の提供企業の売上額で構成され、全体で2025億円となり前年度比27.6%増。3分野のなかでは最大規模を誇る。サービス市場に含まれる農業や点検、空撮といった詳細な分野についての動きは次回に考察する。


機体市場は業務用の完成機体の国内における販売額となる。ただし、軍事用は含まない。前年比21.2%増の1051億円となっており、限られたエリア内で20~50kgほどの重量物を運搬するドローンの活用が進んだ結果と考えられる。

DJI FlyCart30。最大離陸重量は30kgでありながら、カメラドローンと同様の操作性を誇る。2024年度に各事業者で導入が進みそうだ


報告書2024では2028年度に向けた市場予測についても触れている。詳細は下記グラフを参照してほしい。報告書2023でも2028年度までの市場予測を行っている。ここからは、その数値のズレがどのようになっているかを見ていこう。


【合わせて読みたい】サービス市場の詳細についての分析はこちら。


(以下では報告書2023と報告書2024との比較、今後のドローンビジネスの市場規模の見通しについて紹介します)

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