エアモビリティに関わる人々へのインタビューを通して、エアモビリティの未来を見通す動画「FLIGHTING KEYNOTE」。
第3回、第4回は元自衛官パイロットであり、現在はドローンスクール講師を務める長野仁成さんと五十嵐穣史に出演いただいた。
長野さんは戦闘機、五十嵐はヘリコプターに搭乗経験があり、まさに空のエキスパート。第3回ではおふたりがパイロットを志したきっかけや、印象に残っている任務など、パイロット時代のことについてお話を伺った。
戦闘機パイロットだった長野さん、かなりしびれる経験をお持ちのようで、FLIGHTING編集部メンバーも驚きを隠せない。
また、災害派遣でも活躍するパイロットの皆さん。五十嵐さんは上空からの偵察の経験も豊富とのこと。「上から見るだけで手が出せないことは悔しさは?」と、ややうがった質問を投げかけたが、その回答に胸を打たれた。
有人機に関するお話ばかりだが、フライトに対する考え方など、ドローンの運航にも役立つお話も盛りたくさん。
パイロットに興味があったり目指していたりする方ばかりでなく、空の利用を考える多くの方へ情報満載の動画だ。
読めばティザー動画の中身がわかる!
「FLIGTHING KEYNOTE #003 元自衛官パイロットが語る仕事事情」
YUMIKO:皆さんこんにちは。FLIGHTING KYENOTEのYUMIKOです。FLIGHTING KYENOTE第3回、第4回は元自衛官パイロットのおふたりから、ドローンやエアモビリティの今後の展開についてお話を伺います。
YUMIKO:空のエキスパートのおふたりがどんなキャリアを積まれて、今後どのような展開を期待されているのか、お話を伺うのが楽しみです。
YUMIKO:パイロットを志したきっかけは?
長野:私は小さい頃からアニメが好きで、特に松本零士さんの『銀河鉄道999』や『宇宙戦艦ヤマト』を見て育ってきたので、宇宙とか空にものすごく興味がありました。
五十嵐:私は幼少時から父親に航空自衛隊の基地で行われる航空ショーに連れて行ってもらい、自由に飛んでいく戦闘機の姿を見て素直にかっこいいなと思いました。戦闘機から地上に目を移すと何万人もの人たちが目を輝かせている。そんな姿を見て、いいなと。そういう人々と魅了できる仕事ができたらなと思ったのが最初にパイロットを目指したきっかけです。
Q:搭乗機種は?
長野:最初に乗った戦闘機がF-4ファントムといわれるアメリカの戦闘機。最終的にはF-2という国産機に乗りました。
五十嵐:私は陸上自衛隊のヘリコプターでUH-1という多様とヘリコプターに乗っていました。
YUMIKO:その機種を選ばれたのはどういった理由ですか
長野:『宇宙戦艦ヤマト』で育っているので、基本的に、男というものは戦って何かを守らなければならないという使命感が小学校の頃からあって。
五十嵐:戦闘機のパイロットを目指していたんですけど、自衛隊の戦闘機パイロットの試験に手が届かずでして。
五十嵐:とある部隊で航空機事故があり、隊員4名が亡くなってしまいました。そのときに墜落した機体の部品や破片の回収任務があったんですが、誘導を受けて飛ぶパイロットの技倆の高さをまざまざと見せつけられたというか、自分の手足のようにヘリを操縦している姿に感動して、それを見てもう一度パイロットを目指したいと。
Q:危険だった任務は?
長野:本当に暗く月明かりもないような「ダークナイト」のときに、第3国の爆撃機に正味、1時間半ぐらいついて回ったんです。結構しびれました。
五十嵐:とある任務で(東京都)立川から(宮城県)仙台の霞目まで北上するフライトがありまして、当日ウェザー(天気)を確認すると、ちょっと天候がよろしくないというので、離陸した立川に戻るという決心をして、引き返そうと操作した瞬間に、雲の中に入ってしまって。
五十嵐:「空間識失調」とか「バーディゴ」という言い方があるんですが、錯覚に入ってしまって。雲の中をずっと下向きに飛んでいるときに、もう、目の前、全部海です。
Q:災害派遣任務にはどんな思いを?
五十嵐:災害派遣では小さな地震でも自衛隊は出ていく場面が多くて。首相官邸に被災状況を伝える目の役割を持っていて、震度5弱でも離陸をして被災地上空に行って偵察して、その情報を首相官邸に送る任務をしていました。
五十嵐:次に来るヘリ、ないしは地上の部隊を被災地に送るためにも、適切に必要な所に必要なだけ送るためにも、必要な役割を担っていて……。