- 兵庫県では2022年から空飛ぶクルマに関する取り組みが活発化
- 2023年度からは次世代空モビリティひょうご会議が開始
- 2024年度に手掛ける支援事業や補助金額とは?
大阪府大阪市の舞洲を舞台に行われる大阪・関西万博。だが、これを契機として関西の自治体では、空飛ぶクルマの導入や社会実装に向けた独自の取り組みを行っている。そのうちのひとつである、兵庫県の取り組みに注目したい。
兵庫県では2022年度から空飛ぶクルマに関する取り組みが活発になり、2023年1月にはSkyDriveと連携協定を締結した。齋藤元彦兵庫県知事は「令和5年度には、空飛ぶクルマの社会実装に向けた予算を確保し、次世代空モビリティひょうご会議(仮)を立ち上げ、社会受容性の向上、ポート整備支援、事業開発支援を行っていきます」とコメント。これをうけ、2023年度から(仮)のとれた同会議が開始し、第1回が8月31日に、第2回が2024年3月12日に行われた。
第2回では2023年度における空飛ぶクルマの実装促進に向けた事業の報告が行われた。この実装促進事業は、兵庫県内で空飛ぶクルマを活用したビジネス展開を目指す事業者に対して、補助金を通じて支援する取り組みとなっている。特筆すべきは兵庫県と大阪府にまたがる事業の場合。大阪府、大阪市、兵庫県が連携することで補助金の上限を引き上げる仕組みとなっている。
例えば兵庫県枠のみからの補助金額の上限は最大1000万円となっている。だが、兵庫県・大阪府枠の場合は各県から1000万円の補助があり、最大2000万円の補助が受けられるといった具合だ。なお、補助割合はいずれも対象経費の2分の1となっている。
2023年度については下記の事業がそれぞれ採択された。
【兵庫県・大阪府枠】
・丸紅「空飛ぶクルマの運航実現に向けた事業性評価・検証」
・住友商事「空飛ぶクルマ試験飛行のリアルタイム監視及び、出前授業・試験飛行見学会の開催」
・三井物産「エアモビリティ統合運航管理プラットフォーム事業」
・エアバス・ヘリコプターズ・ジャパン「兵庫・大阪での空飛ぶクルマの航空医療分野の活用検討」
【兵庫県枠】
・AirX「大阪湾ベイエリアにおける空飛ぶクルマの実機を活用した実証事業」
・兼松「神戸市内ウォーターフロントにおける離着陸場設置検討調」
紙幅の都合上、各取り組みの詳細は省略するが、三井物産が行った「エアモビリティ統合運航管理プラットフォーム事業」についてはこちらの記事でその模様を紹介している。
さて、「兵庫県における空飛ぶクルマの展開ロードマップ」で示された通り、検討段階と位置づけられた2023年度には、ヘリコプターを使用した実証・デモ飛行などが行われた。2024年度は実証段階と設定され、2023年度よりも踏み込んだ飛行などが行われるはずだ。
(以下では2024年度に兵庫県が支援を検討している内容、補助金額とそこから見える兵庫県の考えについて紹介します)