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2024.03.11

デジ電甲子園でドローンの取り組みが注目されなかったワケ

2022年秋、岸田文雄首相の主導で始まった「デジタル田園都市国家構想」は、地域活性化を目指して、デジタル技術を活用する。政府はこの構想と同時に「Digi田(デジでん)甲子園」を開催し、優れた取り組みを表彰する。2023年度には55事例が選出され、その中には大分県のドローンによる防災力向上も含まれる。評価のポイントは?

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  • 「デジタル田園都市国家構想」は地域の活性化を目指す
  • 大分県がドローンを活用した防災取り組みを提案
  • インターネット投票では支持を集めたが審査委員からは評価を得られず

2022年秋、岸田文雄氏が首相就任後に肝いりで開始したのが「デジタル田園都市国家構想」だ。地域の少子高齢化による人口減少や、産業の空洞化を解決するため、デジタル技術を積極的に活用して、地方の活性化を図るものである。


この構想のもと、各地でデジタル技術を活用して、地域の課題解決に向けて様々な取り組みが行われているが、ただ掛け声だけをかけても動かないもの。そこで政府ではデジタル田園都市国家構想の開始と時を同じくして、「Digi田(デジでん)甲子園」という催しを行っている。地域でデジタル技術を活用して行われている課題解決の事例を集め、優れているものを内閣総理大臣賞として表彰するものだ。


令和5(2023)年度は全国から地方公共団体部門から25事例、民間企業・団体部門から30事例のあわせて55事例が本選に選抜され、インターネット投票や審査委員会による審査で評価を受けた。


デジタル技術の活用ということで、ドローンも対象になっている。ドローンに関連した取り組みは、地方公共団体部門から大分県が提案した「ドローンによる被災状況調査体制の確立等を通じた地域防災力向上」、民間企業・団体部門からKDDIスマートドローンが提案した「スマートドローンプラットフォームを活用した伊那市ドローン物流」がラインナップされている。


2024年3月5日に7万票以上を集めたインターネット投票および審査の結果が発表され、大分県の「ドローンによる被災状況調査体制の確立等を通じた地域防災力向上」が地方公共団体部門のベスト4を受賞したことが明らかになった。


本事例はインターネット投票で2位(2,539票)を集めた。一方、審査委員会審査結果では10位タイまでにも入ることができていない。なぜこれほど評価に差が生じたのだろうか。


大分県がどんな取り組みをしていたのか、確認してみよう。デジ電甲子園の公式サイトでは動画も確認できる。

2023年6月に大分県で発生した豪雨では、発災直後にドローンによる物資輸送を実施(写真はプレスリリースから作成)


(以下では、取り組みの詳細、インターネット投票で支持を集めながらも、審査委員会の審査では支持を得られなかった理由について紹介します)

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