- 政府は「空の移動革命」に取り組むが関心はまだ高まっていない
- Blue Mobilityは新サービス「ヘリタクシー」でヘリコプターによる移動サービスを提供
- 各社がヘリコプターサービスに参入することが「空の移動革命」にどんな影響を与える?
「いわゆる“空飛ぶクルマ”、電動・垂直離着陸型・自動操縦の航空機などによる身近で手軽な空の移動手段の実現が、都市や地方における課題の解決につながる」(「空の移動革命ロードマップ2022」より引用)という考えのもと、政府は「空の移動革命」に関する取り組みを進めている。FLIGHTINGでは「空の移動革命」の実現をサポートするため、空飛ぶクルマの開発動向や最新ニュースをお知らせしている。
空飛ぶクルマが目玉となる大阪・関西万博の開幕日である2025年4月13日まで約1年と迫ってきた。だが、「身近で手軽な空の移動手段の実現」対する関心や機運は、国内ではまだまだ高まっていないのが実情だ。
「身近で手軽な空の移動手段の実現」という言葉について、改めて考えてみたい。それにあたり、最近登場した、ヘリコプターの新サービスを紹介しよう。
沖縄県でヘリコプターを利用した旅客輸送を展開するBlue Mobilityは、3月から新サービス「ヘリタクシー」を開始した。
同社では那覇空港と沖縄本島や県内の離島を定時・定路線で結ぶヘリコプター「ヘリバス」を運航している。一方で「ヘリタクシー」は、予約の枠があいていれば、利用者の都合に合わせて平日・休日や時間を問わずにフライトのスケジュールを組むことが可能だ。もちろん離島への移動も自在にできる。
たとえば2014年に国立公園に指定された慶良間諸島。沖縄本島からだとフェリーで1時間以上かかるが、ヘリタクシーを利用すれば15分程度で移動できる。このほかにも、1日1便しかフェリーがないような離島にも、自分の都合でフライトスケジュールを決められる。
ヘリタクシーの料金は那覇空港から66km北の恩納村にあるかりゆしヘリポートまでが135,000円。ヘリバスであれば、便にもよるがひとりあたり18,000円程度から利用可能だ。
ヘリコプターのチャーターは従来、手続きや機体の手配などが煩雑で、身近にできるものではなかった。ところが近年では環境整備が進み運航が効率化され、新規に参入する企業も。AirXでは東京都内の東京ヘリポートから成田空港までヘリコプターによる旅客輸送を29,850円で行っている。
ここに「身近で手軽な空の移動手段の実現」のヒントが隠されている。
(以下では「身近で手軽な空の移動手段の実現」とヘリコプターの関わりについて紹介します)