DRONE NEWS

2024.04.01

医療分野におけるドローンの活用提言と実証実験

伊藤忠商事は2023年5月にW198を使用して血液製剤を輸送する実証実験を実施。政府も医療分野でドローンを活用したい考えだ。第一種認証機体の登場は医療分野にどんな影響を与えるか。

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  • Wingcopter GmbHはANAHD、伊藤忠商事と業務提携
  • 2023年5月の実証実験では品質管理についても検証
  • 政府は医療分野におけるドローンの活用方法について方針を表明

2024年3月28日、Wingcopter GmbH社の固定翼型ドローン「Wingcopter198」(以下、W198)が国土交通省に対して第一種型式認証の取得申請を実施したことが明らかになった。日本側で同社と資本業務提携、販売代理店契約を行っているのは伊藤忠商事だ。同社ではW198をどのように使用しているのかについて紹介しよう。


もともとWingcopter GmbHはANAホールディングスと2021年に業務提携を結び、医薬品などの配送に関する実証実験を行っていた。伊藤忠商事は2022年からWingcopter GmbHと業務提携を締結。それを受けて行ったのが、2023年5月の血液製剤輸送に関する実証実験だ。


これまで医薬品配送の実証実験では、配送自体は問題なく実施できたとしても、その後に医薬品の品質の確認まで行っているケースはあまり見られなかったという。


血液製剤の輸送において品質の維持は重要だ。温度は一定に管理し、長距離を移動しても安定して運べる必要がある。ドローンではこれらの条件をクリアすることが難しいとされてきた。


2023年5月の血液製剤輸送に関する実証実験では、W198に血液製剤を搭載し、温度管理して、長距離を移動。その後、品質についても検証を行った。その結果、まったく問題なく輸送に成功したという。伊藤忠商事は「有効な物流手段の一つとして固定翼式のドローンが、様々な社会課題の解決に大きく貢献する可能性を示すことができました」と判断している。


ドローンビジネスを展開するうえで指標となっているのが、政府が公開している「空の産業革命に向けたロードマップ」だ。


(以下では、政府が方針を示すドローンと医療分野における関わり、今後の展望について紹介します)

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