- 大手企業やJAXA、ウェザーニューズなどが運航管理の実証実験
- 地震発生時の目的地変更について試行
- ビル風にも対応したシステム開発を進める
1月16日、大阪市内で三井物産、宇宙航空研究開発機構(JAXA)、ウェザーニューズなど8者が空飛ぶクルマやドローンなどエアモビリティの安全運航に向けて、気象情報と連携した運航管理システムの実証実験を行った。
実験は大阪市城東区内から同市此花区の万博会場に向かって飛行飛行中に、震度5強の地震が発生した場合を想定。万博会場の離着陸場の安全確認に時間がかかるため、運航事業者や周辺のドローンとの位置関係を把握した上で、目的地を変更する状況が試された。
JAXAの提供したシステムや、ウェザーニューズが持つ気象情報の知見を活かした運航管理の方法について確認された。
三井物産では将来的に高層ビル群の中で吹くビル風にも対応したシステムを開発し、2030年以降に実用化したい考えだ。柳沢勇人航空宇宙部長は「システムを通じて機体同士の干渉を避ける仕組みを作る。機体が混雑してくるとより複雑なシナリオが予想される。実際のケースを想定しながら機能を拡充したい。万博を契機として空を移動できる多様な手段を提供できるようにシステム開発を進める。使いやすいもの構築し他業種にも参入を促す」とコメントした。
2024年現在、空飛ぶクルマの機体開発は継続しており、ドローン開発は成熟期を迎えたという見方もされている。一方で、ひとりの操縦士で多数の機体を運行する1対多運航や、ドローンや空飛ぶクルマだけでなく、ヘリコプターも含めた一体的な空の運航管理については研究の途上だ。低空域の活用するためには、操縦者が好き勝手に飛ばすことを認めず、適切な管制を実施することが最も重要。大阪・関西万博の取り組みを踏まえた上で、開発が加速し早期実装されることに期待したい。
(参考 「空飛ぶクルマ」同じ空域に複数の飛行物体 地震が起きても安全に飛ばす運航管理を実験 https://www.ktv.jp/news/articles/?id=10128 )