DRONE NEWS

2023.11.24

ロジクトロンとSORABOTが国交省主催の「河川上空ドローン利用実証実験」に参加

河川上空の活用は都市部でのドローン物流を実装するために活用を進める必要がある。橋の下でGPSが拾えなくなるなど、船が通るような場合はどうするのかというところを、実装するにあたりどのように整理するのか。

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  • ロジクトロンとSORABOTは、国土交通省関東地方整備局 荒川下流河川事務所の「河川上空を活用したドローン利用の更なる活性化に向けた実証実験」に参加決定
  • 荒川下流河川事務所は「荒川下流河川上空利用ルール(案)」の作成に向けた検討を進めながら、ドローン利用のさらなる活性化に向けて実証実験を推進する。
  • 遠隔操作や自動充電による効率的な運用を可能にするドローンポート「DroneNest」を活用する

ロジクトロンとSORABOTは国土交通省関東地方整備局 荒川下流河川事務所が実施する「河川上空を活用したドローン利用の更なる活性化に向けた実証実験」への参加が決定した。本実証実験は国土交通省関東地方整備局が公募したもので、将来的に複数のドローンが同時に荒川上空を飛行する際のルール策定や、円滑な航行支援を検討するため、ドローンポートと連携した河川巡視が行われる。

荒川下流河川事務所は「荒川下流河川上空利用ルール(案)」の作成に向けた検討を進めながら、ドローン利用のさらなる活性化に向けて実証実験を推進する。

本実証実験で使用するドローンポート・DroneNestは、国土交通省から夜間における補助者を配置しない目視外飛行の承認を受けた実績のあるドローン充電ステーションだ。DJI製ドローンに対応し、遠隔地からの操縦や自動充電による作業の効率化が可能。

DroneNestの使用により、3点の課題が解決できると考えられている。

まず、遠隔地からの操縦が可能なため、操縦者が現地でドローン飛行に関わる必要がなくなる。1人の操縦者が全国各地のドローンを管理できるようになるため、効率的な運用が可能となる。また、飛行中のドローンによる映像を操縦者にストリーミング配信することにも対応している。

次に、自動充電に対応していることから、充電作業が不要となる。DroneNestに着陸したドローンは、飛行終了後直ちに充電を開始。完了後はDroneNest内に保管される。機体管理の作業削減が期待できそうだ。

最後に、各拠点での操縦者育成業務の集約化だ。これまではドローンの飛行拠点ごとに操縦者を育成する必要があった。だがDroneNest導入により遠隔地から操縦できることから、操縦者の育成業務を1つの拠点に集約することができると見込まれている。

SORABOTはこれまで日本初となるレベル3飛行承認を取得したドローン物流事業や、災害現場での目視外飛行を実施。その経験とDroneNestの導入により省人化を進め、高所作業や施設の点検、監視などの業務の安全性や正確性を向上させ、業務の効率化を図りたい考えだ。

ロジクトロンは大型ドローンでの荷上げ・運搬事業を展開。人身事故の低減や運搬時間の短縮、コスト削減などの効率化を実現している。最大55kgまでの荷物をドローンで近距離ピストン輸送し、斜面やアクセスの難しい場所への物資輸送に対応。

DID地区となっている都市上空においてドローン物流を実装するため、河川上空の利用は急務だ。河川上空であればレベル3飛行による物流が展開できそうだが、現状は補助者の設置を求められるケースもあり、省人化が難しい。ドローンポートの設置は人手を減らし効率的なドローン運用を実現できる可能性を秘める。

ロジクトロンは人口減少社会においてテクノロジーを活用して課題解決に取り組んでいる。またSORABOTも、ドローン事業をサポートし、あらゆる業界・企業のDX実現に貢献するという。2社のコラボレーションと実証実験で得たデータにより、河川上空を用いた物流の社会実装が加速することに期待したい。

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