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- 新宿駅の駅ビルに設けられたヘリポートでは導線などに課題あり
- 鉄道事業者はエアモビリティを新幹線の付加価値として捉える
- エアモビリティは新しい移動の動態を生み出す
前回の記事では2023年冬に行われた新宿駅の駅ビルに設けられているヘリポートを活用した実証実験の模様を紹介した。利用に際しての課題も明らかになってきた。
利用者の導線に関しては、通常は人が立ち入らない場所に案内するため、施錠されている扉や階段を通過する必要があった。また意外なことに携帯電話の電波が届きづらいという課題も明らかに。ポートとして使うためには改めてインフラ整備が必要であることが判明した。
また、新宿ミライナタワーには商業施設やオフィスフロアが設けられており、騒音には敏感にならざるを得ないが、実際に測定したところ、フロア内では気にならない程度の結果だったと紹介された。
なお実験時には、強風のため出発が1時間以上遅れたが、ポート下の商業施設で待つことができたので問題なかったとのこと。このことは、商業ビルの屋上にポートを設ければ、利用者に快適に過ごしてもらうためのサービスが提供しやすいことを示唆していると言える。
鉄道事業者がライバルと言えそうなエアモビリティを手掛けることに抵抗はないのだろうか。JR東日本の担当者によれば駅の近くにポートを設けることは長年の夢であるという。
(以下ではJR東日本が駅にポートを設けたい理由、新幹線とエアモビリティは競合するか否か、空飛ぶクルマの活用法について紹介します)