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2024.03.01

【長野県における空飛ぶクルマ導入の取り組み】(第2回)

<JR東日本がなぜ空飛ぶクルマに取り組むのか>
連載第2回は、空飛ぶクルマの利用に積極的に取り組もうとするJR東日本の考えを紹介。さらに2022年12月に行われた、新宿駅ビルを利用した実証実験の模様もレポートする。

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  • JR東日本は鉄道と空飛ぶクルマを組み合わせた新たな移動手段を提案したい
  • 実証実験では駅からヘリコプターで目的地に移動するシナリオを想定
  • 航空局から許可を得て、新宿駅でも空飛ぶクルマの実証実験を実施

(【長野県における空飛ぶクルマ導入の取り組み】(第1回)<県内初登場のEH216-Sインプレッション>はこちらから読めます)


JR東日本が空飛ぶクルマを利用することも想定したコンソーシアムをなぜ運営するのか。そこには本業である鉄道事業、突き詰めれば新幹線をより活用していくためという考えがあるようだ。


今回のシンポジウムが「空飛ぶクルマ×鉄道×まちづくり」を謳っているように、JR東日本では空飛ぶクルマと鉄道を掛け合わせることで、新たな移動手段や移動価値を提案したい考え。それは2023年12月28日に長野県内で行った、観光をユースケースにした実証実験に現れている。


この実証実験を、パネル展示をもとに紹介しよう。実験では新幹線で目的地最寄りの駅に到着し、空飛ぶクルマに見立てたヘリコプターに乗り換えて目的地に向かうと想定した。駅は北陸新幹線長野駅、目的地は自動車であれば約2時間を要する白樺湖と設定。ヘリで飛行したところ約20分で到着したという。


検証内容には「ポートの活用可能性」「ポートの運用検証」「サービスの検証」が挙げられていたが、ここでは「ポートの活用可能性」について取り上げる。実験では長野駅および白樺湖周辺のポート候補地として適切な場所を探した。


駅付近のポートに選ばれたのは長野駅からハイヤーで約15分の犀川緑地運動公園。より駅に近い場所はインフラ整備が必要だったため使用できなかった。


(以下では、実証実験で生じた課題とその解決策や、新宿駅ビルに設置されたヘリポートを使用した際の状況について紹介します)

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