- 2024年1~2月に行われたレベル3飛行までの実証実験は10件
- 運んだものは日用品や医薬品
- 「孤立した時は助かる」という声もあるが……
【ドローン物流連載】シリーズは全4回の記事で、現在の国内におけるドローン物流の状況や今後の展望について紹介します。
ドライバーの労働時間を規制する「2024年問題」解決に向けて、ドローンによる物流や物資運搬に期待が集まっている。「ドローンビジネス調査報告書2023」(インプレス総合研究所)では、物流分野の市場規模が2028年度に863億円へと拡大すると見込まれている。
第1回では、2023年末から解禁された、ドローン搭載のカメラ映像により人の立ち入りがないかを確認し、補助者や標識の設置を省略して無人地帯上空を目視外飛行する「レベル3.5飛行」の実証実験を行った自治体や、今後の実証実験に関する見通しを解説した。
第2回は2024年1月1日~2月13日までに行われた物資輸送や物流にドローンを活用するための実証実験のうち、道路横断時などで補助者や標識の設置が求められる無人地帯上空での補助者なし目視外飛行である「レベル3飛行」以下で行われたとみられる実証実験の模様を紹介したい。
なお、ここ取り上げる実証実験については、どのレベルの飛行で行われたか発表されていないケースもみられる。ただ、レベル3.5飛行であれば、実験の希少性からその旨を報告するはずであるし、実験内容を確認しレベル3飛行以下で実施したと判断したものを含めていることをご承知おきいただきたい。
さて、レベル3飛行以下の実証実験は合計で10件とみられる(FLIGHTING調べ)。
運んだ物は日用品や医薬品、災害支援物資といったものが目立つ。千葉県君津市の実験では、清和地区の家庭で子供が急熱を出したことを想定し、日用品やドリンク、熱冷まし用のシートが運ばれた。
荷物を受け取った住人は「自分の住んでいるところも孤立する可能性があるので、その時は本当に助かると思う」とコメントしている。このほか長野県小谷村、徳島県三好市などでも同様に取り組みが行われた。
(以下ではレベル3飛行の導入に向けた課題などについて紹介します)