- 山形県南部の置賜地域の各自治体では、職員の数が限られ地域全体の状況を確認・把握することが困難な状況
- NTT東日本がドローンを使って広範囲の現場状況を撮影し、リアルタイムに映像配信
- NTT東日本が所有する高精細カメラ搭載の空撮用小型ドローンやプラットフォーム「VBOLT(ボルト)」を活用
東日本電信電話(NTT東日本)は、山形県置賜地域において、ドローン及び低遅延映像配信基盤を活用した災害時における被災状況の確認・映像配信に向けた実証実験を、2024年6月1日から開始する。本実証実験は、2023年5月2日に締結した置賜地域におけるレジエンス強化推進プロジェクトの一環で行われる。
山形県南部の置賜地域の各自治体では、災害時における被災状況の確認・把握を自治体職員が行っている。だが、職員の数が限られ地域全体の状況を確認・把握することが困難な状況だ。また、自治体に対して地域住民から被災状況の通報があっても、言葉だけの情報では実際の被災状況を正確に把握することが難しいといった課題がある。今回の実証実験では、NTT東日本がドローンを使って広範囲の現場状況を撮影し、リアルタイムに映像配信する。タイムリーかつ正確な情報収集を行い被災自治体における災害対策本部での意思決定を高度化、迅速化することで、置賜地域におけるレジリエンス向上に貢献する。
具体的な取組みとしては
①当該自治体における過去の災害時の災害データおよび気象予測データをもとに、自治体からの要請を待たずしてドローンを飛行させる体制を確立し、発災前もしくは発災直後の状況を速やかに情報提供
②ドローンで撮影した被災状況の映像をリアルタイムに自治体の災害対策本部等へ配信するとともに、本部からの指示に基づき撮影箇所の調整にリアルタイムで対応
③災害種別として、風水害、林野火災、地震等の災害において被災状況の確認を行う
このほかにも様々なケースで災害支援に対応する。
本実証実験では気象予測データ(降水量予測等)を活用し、事前にドローンを飛行させる体制を確立し、当該自治体へ出動する。NTT東日本局舎や自治体が管理する場所を拠点に当該地域における発災前後の状況をドローンで撮影し、自治体の災害対策本部へ映像配信。NTT東日本が所有する高精細カメラ搭載の空撮用小型ドローン「ANAFI Ai(アナフィ エーアイ)」と赤外線カメラ搭載の「ANAFI USA(アナフィ ユーエスエー)」および低遅延で高品質な映像配信を可能とするプラットフォーム「VBOLT(ボルト)」を活用する。
検証ポイントとして
①ドローンで撮影した映像から被災状況をどの程度確認可能か(ドローン飛行箇所から被災場所までの距離、映像の解像度等)
②撮影した被災状況の映像によって、自治体の意思決定(避難指示、避難誘導、復旧指示等)にどの程度貢献可能か
③ドローンを飛行する為の体制確立に至るタイミングの妥当性(水害を想定した場合、降水量予測を基にした閾値での実行)
が上げられる。
実施期間は2024年6月1日から2025年10月31日まで。置賜地域3市5町(米沢市、長井市、南陽市、高畠町、川西町、小国町、白鷹町、飯豊町)で行う。各自治体の実施時期・場所については今後調整予定だ。今回の実証実験により、各自治体の意思決定支援に対しての有効性を検証し、本格的な展開に向けて検討を進める。また、これらの取組みを通じ、地域の情報を統合的に管理、分析し自治体の意思決定を支援する機能(地域オペレーション機能)を今後提供していく。
―実災害でのドローン映像配信対応―
この活動実績は、NTT東日本グループで2024年5月に発生した高畠町、南陽市での林野火災現場において、自治体・消防機関等と連携しドローンによる空撮および空撮映像のリアルタイム配信により消火活動の支援を行ったときのもの。
―ドローン映像配信概要(VBOLT)―
―ドローン映像配信構成―
―ドローン映像配信の確認―
― 仏 Parrot社製ANAFI Ai ―
― 仏 Parrot社製ANAFI USA ―
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災害時におけるドローンの活用が進んでいる。