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2024.03.29

固定翼型ドローンW198が第一種型式認証を申請

伊藤忠商事が販売代理店を務めるドイツ・Wingcopter GmbHの「W198」が第一種型式認証を申請。固定翼型かつ海外メーカー製では初となる。そのスペックに迫る。

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  • 医療品輸送を目的に開発
  • 垂直離着陸、ホバリングに対応
  • 高速かつ長距離飛行を行える

ドローンが有人地帯上空で飛行する「レベル4飛行」を実現するため、機体の設計や製造過程が基準を満たしているかを証明する第一種型式認証。3月28日、ドイツ・Wingcopter GmbHが手掛ける固定翼型ドローン「Wingcopter 198」(以下、W198)が第一種型式認証の申請を実施し、国土交通省に受理されたことが、販売代理店を務める伊藤忠商事から発表された。


Wingcopter GmbHは2017年に設立。同社公式サイトによれば、インフラの整備不足や地形の複雑さなどにより、世界の20億人が医療ケアへのアクセスに課題を抱えているという。そこでTom Plümmer氏、 Jonathan Hesselbarth氏、 Ansgar Kadura氏はドローンを利用して課題解決をねらった。こうして生まれたのがW198であり、当初から医療品を輸送することを目的に開発が進められた。


固定翼型の第一種型式認証申請は初となる。また、海外メーカー機体の申請も初めてだ。


W198は固定翼を持ちながらも、垂直離着陸やホバリングに対応している。ローターを8個備え、これらを使用して垂直離着陸を行う構造だ。また、一部のローターは向きを変えることが可能なティルトローターになっており、固定翼を使って飛行する際には、推力の発生源として使用されている。

左側のティルトローターが地面に対して垂直になっている様子が見て取れる(出典:Wingcopter GmbH公式サイト)
ティルトローターでは地面に対してプロペラが水平↔垂直に可動する(出典:Wingcopter GmbH公式サイト)


スペックを確認すると、最大離陸重量は24.9kg、最大積載量は4.5kg。特筆すべきは巡航飛行速度と最大航続距離で、それぞれ時速90km、110kmを誇る。これはマルチコプタータイプでは出せない能力だ。一刻を争う医療現場での活用を目指すうえで、高速に長距離を飛行できる能力は大きな強みとなっている。また悪天候にも強い設計になっているという。


これまでに第一種型式認証を申請した機体を簡単に振り返ってみよう。


(以下では、写真とともに第一種型式認証申請機体を紹介し、今後の第一種型式認証の取得について展望します)

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