Advanced Air Mobility News

2024.04.09

中国こそ空飛ぶクルマ最前線:EH216-Sの量産準備が整う

イーハンの空飛ぶクルマEH216-Sが中国民用航空局から製造証明を取得。今後は大量生産が進む見通しだ。中国政府が進める空の産業への取り組みとともに、今後を展望。

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  • EH216-Sはこれまで型式証明、耐空証明を取得
  • イーハンのCEO「市場の需要に応える準備が整っている」
  • 実際の商業飛行に必要な証明をどう取得するか

2024年3月20日、21日に茨城県つくば市で、中国・イーハンの空飛ぶクルマ「EH216-S」の関東における初飛行が行われた。日本国内でいま最も目にする空飛ぶクルマであるEH216-Sが、また一歩マイルストーンを達成した。


2024年4月7日(現地時間)、イーハンはEH216-SがCAAC(中国民用航空局)の製造証明(PC)を取得したと発表した。EH216-Sはこれまでに空飛ぶクルマとしては世界で初めて型式証明(TC)と耐空証明(AC)を取得しており、製造証明取得はEH216-Sの量産とその後の商用運航に向けて大きく前進した格好だ。

(出典:プレスリリース)


当日、広州黄浦区国際会議センターで製造証明授与式が開催された。出席したCAAC中南部地方局で耐空証明を管轄するHeyong Lin氏は「イーハンは中国中南部における新しいビジネスのパイオニア。CAACはイーハンを支援し、(中国政府が進める)低空経済の発展を強化する」とコメント。また、広州市黄浦区副区長Dan Xu市は「製造証明の取得は低空経済産業における製造業が大きく前進する契機になる。イーハンの取り組みが低空経済の豊かな発展につながる」と祝福した。


快進撃が続くEH216-Sの開発。授与式に登壇出したイーハン創業者でCEOのHuazhi Hu氏は「今後発展していく空飛ぶクルマ市場の需要に応えるために、生産と出荷を段階的に拡大する準備がある。信頼性の高いパイロットレスの空飛ぶクルマを市場に投入し、エアモビリティサービスを多くの人々に提供していく」と自信たっぷりに語っている。


中国では国産航空機の開発を進めている。旅客機では国産中型機「C919」が5月28日に中国東方航空の上海~北京感で商業運航を開始した。だが同機はCAACの型式証明と耐空証明しか取得しておらず、中国国内のみで運用されている。


(以下では型式証明、耐空証明、製造証明、中国の思惑について紹介します)

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