DRONE NEWS

2024.05.13

レベル3飛行、レベル3.5飛行をシカ猟に活用できるか?

リーガライト行政書士法人は北海道芽室町でレベル3.5の利活用に向けた検討実験に参画。シカ猟やDJI Flycart 30を利用した輸送などで活用をねらう。

この記事を 行で
  • シカ猟にドローンを活用するも警戒心が強く捕獲には至らず
  • FlyCart30での吊り下げ飛行では飛行の安全性を確認
  • 中島北斗行政書士「現場のニーズに応えられ、ドローン事業が一気に加速する」

DJIがレベル3/3.5飛行の申請に必要な機体情報を提供することを受け、リーガライト行政書士法人は、2024年5月11日、北海道芽室町でレベル3.5の利活用に向けた検討実験に参画した。シカ猟での活用方法やDJI Flycart 30を利用した輸送など、レベル3.5の実質的な解禁で広がるドローンの可能性について、調査を行った。


リーガライト行政書士法人中島北斗は「レベル3.5申請にはメーカ-の協力が必須だが、DJIが情報提供してくれることになり、ドローン業界は一気に変わる」と話す。従来のレベル3飛行では、立入管理区画への第三者の立入りを制限するために、補助者の配置や看板での周知を行う必要があったが、レべル3.5飛行では、機上カメラを活用し、無人地帯を確保する。補助者や看板などが不要となるため、山、海水域、河川・湖沼、森林、農用地、ゴルフ場などでは、より自由な飛行が可能となる。


2024年5月9日、DJIはレベル3/3.5申請に必要な機体情報の提供開始を発表。レベル3.5申請には「落下距離」や「初期故障期間」を示す資料の作成が必要となるが、これらはメーカーの協力がなければ難しい。これまでは、上記情報をDJIから提供してもらうことは困難であったが、このプレスリリースによりレベル3、レベル3.5が大きく変わることが予想される。


これを受けて、2024年5月11日、北海道芽室町にて、中島北斗行政書士、ドローンパイロットの三浦啓太郎氏、品川広樹氏、芽室町のハンターで、DJI Matrice 350 RTKを使用したシカ猟が行われた。


地上には補助者を3名配置し、空中、地上の監視を行いつつ、シカの捜索を行ったところ、ものの数分でシカの群れを発見した。ドローンから映し出された映像をもとに、地上でハンターが狩猟の計画を立て、各自、現場に向かった。


作戦実行中も、二点間の距離を計測する機能を使用してハンターとシカの距離をトランシーバーで伝えたり、逃げ出したシカを追跡してシカの位置を共有するなど、ドローンが活躍する場面が多かった。今回はシカの警戒心が強く捕獲には至らなかったが、三浦氏は「ドローンを利用することでハンターの疲労低減や安全性が向上する」と語る。


ただし、今回はレベル2の飛行であったため、飛行経路が限定的で、かつ補助者が3名必要であった。レベル3.5飛行ができると、補助者ではなく、機上カメラで立入管理措置を行うため、飛行範囲、機動性、コストパフォーマンス、すべてが向上することとなる。また補助者が少なくて済むということは、それだけクマ被害や遭難リスクに晒される人数も少なくなる。


中島北斗行政書士は、「やっと現場のニーズに応えることができるようになり、ドローン事業が一気に加速するだろう」と話す。


同日、芽室町にて、DJI FlyCart 30を利用した輸送の実験も行われた。特定飛行外の範囲内で、ウィンチに物件を吊るし、飛行を行った。


吊り下げ飛行のため、物件が左右の揺れることがあるが、その動きを打ち消す機能があるため、飛行の安全性はかなり高いように思われた。

ただ、包括申請では補助者またはフェンスやコーンでの立入管理措置が必要となる。輸送は、補助者なし目視外飛行が前提となるが、現実的な運用をするには少なくともレベル3以上である必要がある。


中島北斗行政書士は、「レベル3以上の申請では、落下距離や初期故障期間など、メーカー側の協力がなければ、得られない情報があるため、今回DJIがレベル3、レベル3.5飛行の申請における機体情報提供の発表は、DJI FlyCart 30が実用化される転機になる」と語る。


レベル3.5申請は、運航概要宣言書や運航条件等の設定、レベル3.5用の飛行マニュアルの順守など、申請前後で、行うべきことが多くある。リーガライト行政書士法人は、すでにM3シリーズ、MATRICEシリーズ、Flycart30のレベル3.5申請中だ。


【合わせて読みたい】

DJIのレベル3飛行、レベル3.5飛行対応については詳細記事をまとめている。

TRENDING STORIES