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2024.01.31

エアロセンスら3社が点検用の第一種機体開発へ

エアロセンスとKDDIスマートドローン、首都高速道路が共同で国内のインフラ点検改革に着手。国土交通省の支援を受け、8.6億円の予算で取り組む。老朽化する施設の点検作業にドローンの活用が注目される中、長距離飛行可能なドローンや高度な管理システムの開発に焦点を当てる。2024年1月に共同研究契約を締結し、レベル4飛行による効率化を目指す。立入管理措置を行う手間やコストを省き、効率的な点検作業の実現を目指す。

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  • エアロセンス、KDDIスマートドローン、首都高速道路がインフラ点検改革に着手
  • 長距離飛行可能な第一種機体や高度な管理システムの開発に焦点を当てる
  • レベル4飛行による点検の効率化を目指す

ドローンの機体やソフトウェア開発を手掛けるエアロセンスとKDDIスマートドローン、首都高速道路の3社が、国内のインフラ点検改革に向けて共同で取り組む事業を始める。「国土交通省 中小企業イノベーション創出推進事業」に3社が共同で行った提案が採択されたことを受けた取り組みだ。


この事業では、高い技術力を持つ国内企業による先端技術の社会実装の促進を目指す。国土交通省からの交付額の上限は2027年度末までの事業期間で8.6億円を予定している。


高度経済成長期に建造されたインフラ施設が老朽化している。その機能を維持させるため点検業務の重要性が増しているが、作業に携わる人材不足や効率化が課題となっている。課題解決のためドローンの投入が検討されているが、道路インフラの点検をドローンで実施する場合、道路上での飛行は第三者上空となるため「レベル4飛行」(有人地帯(第三者上空)での補助者なし目視外飛行)に対応した機体が必要。また長距離・広範囲の点検では長距離飛行が可能なドローン機体と通信手段、運航管理技術が求められる。


3社は共同研究を通じて機体システムや運航管理システム、実運用性について検証。ネットワークRTK (Real Time Kinematic:固定局と移動局の受信機で複数の衛星から電波を受信して位置情報を得る技術)を利用したドローンの高精度飛行と遠隔カメラ映像モニタリングによる道路状況把握の実用性についても実証する。高架下やトンネルなどを除いた道路上における運用実用化に向けた要件を共同で策定することを目指す。


事業内容としては
・第一種型式認証に対応した長距離飛行が可能な小型の垂直離着陸型固定翼ドローン機体の開発
・上空より取得した撮像・点群データ等を用いた道路三次元モデルの生成、点検AIによる道路異常/補修箇所の検出システムの開発
・セルラー通信と低軌道衛星のハイブリッド通信による、セルラー通信圏外地帯での長距離飛行
・道路・交通状況モデル/点検結果を道路管理システムに連携し、道路管理システムによる一括管理
・離発着、充電などが可能なドローンポートの開発
を上げている。

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