- 「空飛ぶクルマ事業者専用賠償責任保険」は製造から運営までのリスクを包括的に補償
- バーティポート敷地内外で発生した事故でも補償
- 整備などを受託した他人の機体に被害を与えてしまった場合も補償
損害保険ジャパンは2024年4月3日から、「空飛ぶクルマ事業者専用賠償責任保険」の販売を開始した。
空飛ぶクルマを運航する事業者が抱えるリスクは、機体の運航だけではない。機体製造や離着陸するバーティポートの管理に関わる賠償責任なども考えられる。そこで「空飛ぶクルマ事業者専用賠償責任保険」では、機体や部品などの関連機器の製造・加工・整備・販売に関する製造物責任を補償。また、バーティポートの管理運営に関わる賠償責任なども包括的に補償する仕組みとなっている。
例えば、この保険に加入する事業者が製造した製品が原因で事故が発生し、第三者に被害を与えた場合に損害を補償する。また、バーティポートの管理では、敷地内外で発生した事故で第三者に被害が発生した場合に補償が行われる。興味をひかれるのは格納庫での事故。整備などを受託した他人の機体に被害を与えてしまった場合に、損害賠償金などを補償するという。
損害保険ジャパンはこれまでも保険事業と親和性が高い各種モビリティ分野への参入や社会実装に向けた取り組みを続けてきた。空飛ぶクルマ事業への参入もその一環だ。
同社は2022年9月からSkyDriveと包括的な業務提携を結んでいる。当時のプレスリリースによれば「日本における空飛ぶクルマの有望スタートアップ企業である SkyDrive との提携を通じて、 社会課題を解決し得る新しいモビリティ社会の発展に貢献することが損保ジャパンのミッション実現につながると判断」した。今回発表された「空飛ぶクルマ事業者専用賠償責任保険」でも、提携によって得られた知見を生かした商品設計が行われたはずだ。同社は今後「事業化に関連するリスクへの知見を高め、保険と事故防止の両面で高い顧客サービスを実現し、空飛ぶクルマの安心・安全な社会実装を支援する」としている。
空飛ぶクルマ向けの保険は国内の各社が研究や販売を手掛けており、確認できた限りでは2019年に販売開始している。
(以下では空飛ぶクルマの保険の歴史や各社の取り組み、今後の保険分野の拡大について紹介します)